耐えきれぬ急な痛みにはご用心!
脳を養っている血管が詰まると「脳梗塞」になります。心臓を養っている血管が詰まると「心筋梗塞」になります。
これと同じことが大腸にもおきて、大腸を養っている血管(腸間膜動脈)が詰まるとその領域の腸は血行不良が生 じ壊死してしまいます。これが「虚血性腸炎」です。
もともと高血圧や糖尿病、動脈硬化などの基礎疾患を持っている方に多く発症しますが、便秘の方に多く、お年よりだけではなく、若い方にもなることがあります。症状は、突然の腹痛と血便を呈します。
診断は大腸内視鏡検査にて容易にできますので、大腸検査の出来る胃腸科への受診が必要です。治療は数日入院で絶食とし腸を休め、抗生物質を投与し炎症を鎮めます。若い人に発生した場合は4〜7日位の安静入院でよくなるのが普通ですが、全身状態の悪い御老人に発症した場合は数日以内に、腹膜炎、敗血症という経過をたどり重症となることもめずらしくありませんので早めの対応が必要です。